米国ハイエンドギターブランドの中でも、つくりの良さでは抜きんでているSuhr です。

私もClassic S Antiqueを愛用しており、馴染みのあるブランドではありますが、今回はModernシリーズのギターをお預かりできたので、個人的な興味もあってご紹介させて頂きます。

Modernという名が表す通りの洗練されたクリーンな見た目で、無機質になってしまわないギリギリのデザインだと思います。とりあえず恰好良いです。

アシンメトリなボディシェイプはフィット感と重量バランスに秀でており、ネックはスリムで癖がなく手に馴染む形状。このギターなら上手く弾けそうな気がしてきます。

サウンドもやはりModernです。非常に解像度が高くシルキーな音色で、クリーンでもドライブさせてもオケ馴染みは抜群です。

私の記憶では、John Suhrは「メイプルトップ/バスウッドバックのボディこそが最高のバランスだ」みたいな話をしていたはずです。確かに、バスウッドからはギターの美味しい中音域が得られますし、メイプルと組み合わせれば、音の立ち上がりの良さや太さが加わります。

搭載されるピックアップは、パワフル過ぎないヴィンテージタイプなので、木材の特性を良く反映したサウンドをアウトプットしてくれます。

スムーズさが極まっています。

変な例えですが、Modernは、なめらかプリンのように噛まなくてもトゥルンと喉を通っていきます。あまりにスムーズなので食べた気がしない程です。カロリーゼロです。

これと比較すると、私のClassic Sは、昔ながらのカスタードプリンくらいの弾力感と喉越しがあります。濃厚な風味と食べごたえ、ある程度おなかに溜まる感じがあります。


以上は、調整後のギターを試奏させて頂いた私の感想です。

調整前の状態では、せっかくのスムーズさが発揮できていませんでした。呼吸をするくらい自然に弾けるギターを目指して調整していきます。

調整前の弦高は、6弦2.0mm 1弦1.7mm やや高めです。

ネックが逆反りしていたので、トラスロッドを反時計回りに45度調整しました。六角レンチは1/8インチです。

逆反りが補正されたことで、弦高はさらに高くなりました。

続いてトレモロユニットの調整を行います。今回はボディと水平になるように背面のスプリングを調整します。

指板のラジアスに合わせながら、適切な弦高になるようにブリッジサドルの高さを調整します。トレモロユニットはGOTOH(日本製)なので、六角レンチは1.5mmです。

調整後の方が全体的に低くなっています。

ブリッジサドルを前後させて、オクターブピッチを統制していきます。

全体的にピッチが低めだったので、調整後は全体的にブリッジサドルが前に出ています。

ナット溝を削って、ローフレットの弦高を調整します。

ナット溝の内側を滑らかに仕上げて、弦との摩擦を少なくすることで、トレモロ使用時のチューニングの狂いを抑えることができます。

調整後の弦高は、6弦1.8mm 1弦1.5mm になりました。

弦高に合わせてピックアップの高さを調整して作業完了です。


[作業内容]

Aメンテナンス 8,000円

弦代金

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