152 弦高とトレモロの調整(Fender / Jazzmaster)
Jazmasterらしさ(≒癖の強さ)といえば、操作性に難のある独自のトーンコントロール回路と、動作は滑らかだけどチューニングが不安定になりがちなフローティングトレモロが挙げられます。今回お預かりした American Performer Jazzmaster では、この癖の強さを廃して実用性を高められているようです。
ピックアップには、タイトな低音域とパンチのある中音域や、耳障りでなくしっかりとエッジの立った高音域のバランスが秀逸で、アルダーボディとのマッチングでクリアさと温かみを強く感じられます。
また、シンクロナイズドトレモロ化されたことでストラト風味が少し加わり、程よい個性を感じながらも扱いやすいキャラクターに好感を持ちました。
細かく見ていくと、ジャンボフレットやサテン仕上げのネック裏塗装を採用しており、フィンガリングはスムーズでモダンな印象があります。モデル名の通り、パフォーマンス重視のカスタマイズを施したJazzmasterであることに偽りありません。
それでは、そのパフォーマンスを遺憾なく発揮するようなセッティングをしていきましょう。
調整前の弦高は、6弦2.0mm 1弦1.7mm とやや高めの印象があります。
はじめに、トラスロッドを調整してネックの順反りを改善します。
ボディ裏のトレモロスプリングの張り具合を調整して、フローティングの位置を決めます。
アームアップ時に3弦が全音高くなるように合わせます。これは好みの問題ですが、私はこの設定が一番バランスが良いと感じています。
サドルの高さ調整をおこないます。
オクターブピッチ調整をおこないます。
ナット溝を削り、ローフレットの押さえやすさを調整します。
ナット溝には潤滑剤を塗布して、トレモロ使用時のチューニング安定を目指します。(濃い鉛筆を塗り込むのでもOKです)
ペグのナットが緩んでいたので増し締めしました。
調整後の弦高は、6弦1.7mm 1弦1.4mm と低めにできました。ジャンボフレットと相まってかなり楽々な演奏感です。
調整後の弾き心地やアームの動作、音詰まりのないことを確認します。試奏のつもりが、ついつい楽しんで弾いてしまいますね。
Schallerのストラップロックを取り付けさせて頂きました。
[作業内容]
Aメンテナンス 8,000円
弦代金